私は50代目前にして、大学院に通い2年で修了しました。
修士課程を修了したからといって、すぐに何かいいことがあるとは思っていませんでした。
大学人に通った動機は以下の2つです。
1.修士の学位が欲しかったから。
2.昇進や昇給、転職、子供の教育など、何かには活かせるだろうと。
一つ目は、完全に自己満足です。当時は専門学校卒でしたが、学歴が欲しかったです。
二つ目は、すぐにはいいことがなくても、修士課程を修了していることが、有利に働くかもしれないという期待です。
例えば、
この先いずれ、会社の中で昇進や昇給に有利に働くことがあるかもしれない。
この先いずれ、転職することになった場合、希望の企業が「大卒以上」などの応募条件であっても、その条件はクリアすることができる。
この先いずれ、子供が大学や大学院に通うことに場合、論文の書き方などを教えることができる。または、教えることは出来なくても、子供とのコミュニケーションをとるきっかけにはなるだろう。
何かに備えておくというリスクマネジメント的な発想です。
当時は仕事も落ち着いていて、自己投資できる余裕があったことも大きかったです。
この記事では、社会人大学院を修了して、3年が経過しましたが、結果どうなった?という体験を綴っていきたいと思います。
一般的に考えられるメリットは
まず社会人が大学院を修了する一般的に考えられるメリットをあげていきます。
1. キャリアの向上
高度な専門知識やスキルを身に付け、学位を取得することで、昇進や転職の際に有利になる。
大学院での学びを通じて、交友関係が広がり、業界の専門家や同業者とのネットワークを広げることができる。
2. 専門知識の習得
仕事に関連する最新の理論や技術を学ぶことができ、職場での実践に役立てることができる。
自らの専門分野における研究能力を高め、問題解決力を向上させることができる。
3. 個人的成長
学問的な挑戦を通じて自己実現を図ることができ、学びの喜びや達成感を得られる。
大学院での学びは、リーダーシップやマネジメントスキルの向上にもつながる。
4. 経済的メリット
多くの企業では、高度な学位を持つ人に対して高い給与を支払う場合がある。
専門知識やスキルを持つことで、経済的な不確実性に対する耐性が高まる。
5. 企業のサポート
多くの企業は、社員の大学院進学を支援するための教育支援制度を提供しており、これを利用することで費用負担を軽減することができる。
これらのメリットにより、社会人大学院を修了することは、人のキャリアと人生において非常に価値のある選択となりえます。
一般的に考えられるデメリットは
社会人が大学院を修了しても、必ずしも目に見える変化やメリットを実感できない場合もあります。
その理由はいくつか考えられます。
1. 専門知識の活用機会が少ない
大学院で学んだ知識やスキルが、現在の職務に直接的に活かせない場合がある。
企業のニーズと個人の学んだ内容が一致していない場合、学んだことを活用する場面が少ないことがある。
2. 組織内での評価が変わらない
企業の評価システムが学歴や学位を重視しない場合、大学院修了が評価に反映されにくいことがある。
上司や同僚が学位の価値を理解していない場合、その努力が正当に評価されないことがある。
3. 昇進や給与に影響がない
学位や学歴よりも実務経験や実績が重視される場合が多い。
4. 自己成長や満足感が得られない
大学院修了に対する期待が高すぎる場合、その期待に応えられない結果となり、満足感を得られないことがある。
学んだことが実際の業務にどのように役立つかが明確でない場合、自己成長を実感しにくいことがある。
5. ネットワークの活用不足
大学院で築いた人脈を積極的に活用しない場合、得られるメリットが限定的になる。
学んだ分野や業界と実務の分野が異なる場合、ネットワークを活用する機会が少なくなる。
6. 個人的要因
時間やエネルギーの不足: 大学院修了後も多忙な日常が続き、学んだことを活用する時間やエネルギーが不足することがある。
大学院修了という大きな目標を達成したことで、その後のモチベーションが低下することがある。
学費もかかるよ!いいことばかりじゃないね!
これらの理由から、社会人が大学院を修了しても、必ずしも全ての人が目に見える変化やメリットを実感できるわけではありません。
私の場合の社会人大学院を修了して、良かった点、良くなかった点は
社会人大学院を修了して、実際に私が感じた良かった点、良くなかった点をそれぞれ3つ挙げたいと思います。
よかった点
・もともとの動機だった、学位を取得したことによる自己満足はありました。専門学校卒から一気に大学院卒になりました。研究や修士論文の作成に苦労しただけに、無事修了したときの達成感はひとしおでした。自信にもなりました。
・大学院では、建築畑の私が知らないことを多く学ぶことが出来ました。自分の幅が広くなったと思います。技術経営に関する知識や、企業の経営事例、研究手法、様々な理論に関する知識など、アラフィフになって新たに学んだ内容は、新鮮で大きな刺激を受けました。
・大学院を修了してから3年が経ちますが、今でも大学院からメールで講演などの案内が届きます。リモートでも参加できるので、興味のあるテーマの場合は、気軽に聴講しています。私にとって最新の動向の情報源にもなっていて、ありがたい限りです。
良くなかった点
・一つの動機だった、昇進や昇給、転職、子供の教育については、終了して3年を経過した現時点においては、ほとんど効果は出ていません。会社の中での評価があがるわけでもなく、昇進もせず、昇給はみなと同じです。これらは予想していたことですが。
今後に期待だね!
・大学院までの通学時間は片道2時間ほどかかりました。夜の講義が終わると、ダッシュで家路に着きます。それでも家に着くのは0時過ぎです。そんな理由もあり、もともと同僚との交流には期待しませんでした。また、大学院の同僚の多くはメーカー出身者でした。私は建築です。業界の分野が異なるため、共通点もなく、ネットワークを活用する機会は少なかったです。
・大学院修了後は、いわゆる燃え尽き症候群になりました。仕事以外で、なにか自己投資をしようという気にならず、のんびり過ごしていました。修了後3年が経過してようやく、前向きに新しいことにチャレンジしようという気になり、このブログ運営を始めました。
良かった点、良くなかった点をあげましたが、結局のところ、社会人大学院に通って本当に良かったです。
以上が、技術経営(MOT)を学び、社会人大学院を修了した50代男のその後は?についてでした。これから社会人大学院を目指そうとされる方の参考になればうれしいです。最後までお読みいただきありがとうございました。