私はアラフィフで社会人大学院にチャレンジしました。
ちなみに大学は出ていません。専門学校卒です。
それでもなんとか2年で修了することが出来ました。
当初は情報が少なすぎて、仕事と学業の両立ができるのか不安でした。
これから社会人大学院へチャレンジしようか悩んでいる方は、周りに詳しく聞ける方がいればいいですが、いない場合は何かと不安だと思います。
- 仕事と学業の両立は?
- スケジュール管理は?
- 様々なプレッシャーへの耐性は?などなど
1年目の大学院スケジュールについての記事はこちら
この記事では、社会人大学院の2年目に焦点を当てました。
社会人大学院の1年目はたくさん講義を受けて修了するのに必要な単位を稼ぎます。
2年目は必須科目である修士論文を仕上げなければなりません。
この記事ではその辺の過程に焦点を当てました。
当時はコロナ真っただ中でした。
今と環境は異なりますが、本質的なところは変わらないです。
とは言え大学院によって、状況が異なることを予めご了承頂き、一つの事例として参考にして頂ければと思います。
まずは研究テーマを決める
まずは研究テーマを決めなければなりません。
1年目の中盤から終盤にかけて、研究計画書を作成します。
研究計画書を完成させて1年目が終了となります。
指導教員に相談しつつ作り上げていきます。
いざ研究を始めると、研究計画書通りに研究が進まないことはよくあることです。
最初の仮説や研究の方向を再検討する必要が生じることがあります。
研究は予測不可能な要素が多く、計画通りに進むことは稀です。
社会人大学院の場合、職場の課題を研究テーマに選ぶことが多いと思います。
私もそうでした。
職場の課題は実務に直結するので実践的で有意義だと思います。
つぎにそのテーマが先人に研究されているのかどうかです。
先行研究のレビューを行います。
私が当時悩んだのは、自分が研究したいテーマが研究になり得るのか、研究にならないのか、という事でした。
この辺は指導教員にも相談します。
指導教員にホウレンソウをしておくことは重要です。
こうだと思ってある程度進めてから、ダメ出しを食らうとそれまでの時間が無駄になります。
しかし、先生もお忙しいですし、密にやりすぎるとウザがられるのでその辺はほどほどに。
私は月に一度のゼミを活用し、進捗報告をしていました。
他のメンバーも月に一度のゼミや、個別にメールで相談していました。
論文の重要な要素は、新規性・有効性・信頼性などといわれます。
その他、再現性とか、透明性とか倫理性など多様な要素が求められます。
修士論文といえども、研究テーマはこのあたりの要素を踏まえて考えなければなりません。
逆に言えば、以下のようなテーマは研究にはなりにくいので注意が必要です。
・漠然としたテーマ
・十分に研究しつくされてるテーマ
・実証不可能なテーマ
・実用性や意義に欠けるテーマ
テーマが見えてくると、次に先行研究の論文をたくさん読みます。
対象は日本の論文だけではありません。
全世界の論文が対象です。
海外の論文は主に英語で書かれていますが、それらも対象にしなければ十分ではありません。
そのようにたくさん論文を読んでいくと、どの部分が研究されていないのか見えてきます。
その辺を整理して、自分のテーマは新規性があるということを主張できるようにしました。
ちなみに先行研究の論文の整理には「Mendeley」という論文管理ソフトが超おススメです。
容量2Gまで無料で使えます。
Mendeleyはアラフィフのおっさんでも使いこなせたよ。アプリを使って移動中もipadで論文を読みまくったよ!
仕事と学業の両立について
職場の環境に恵まれたおかげで、この点では苦労しませんでした。
私の職場はフレックスタイム制を使えました。
これはめちゃめちゃでかかったです。
朝7時すぎから仕事をして、16時前には仕事を終わらせて学校へ向かうということが可能でした。
体力的には大変でしたが、職場に何の調整をせずとも制度としてフレックスタイム制を活用できるので、精神的に気が楽でした。
私の場合は、この制度が無ければ社会人大学院など夢のまた夢でした。
大学院2年目で修士論文に費やす割合
大学院の2年目は、その9.5割以上を修士論文に費やしました。
私は2年間で、選択科目をトータル36単位取得しました。
そのうち1年目で取得した単位数は30です。
この数は卒業に必要な単位を大きく超えています。
2年目は6単位を取得しただけです。
そのおかげで、2年目はほぼ全ての時間を修士論文に全振りできました。
2年目は1年目に比べて学校へ行くことは少なくなります。
というかほとんど行きません。
コロナの環境もあって、孤独との戦いでした。
この時期がメンタル的に一番ヤバかったよ!怠けると研究が進まないし、この時期は特に自己管理が重要だね
私が通った大学院は原則は修士論文が必須でしたが、修士論文ではなくレポート的な科目を選択することも可能でした。
テーマが決まっても、なかなか研究が進まなかったときには、修士論文を諦めようかとも思いましたが何とか踏ん張りました。
修了した同期のうち8割程度の方は修士論文を選択していました。
研究調査の詳細はここでは割愛します。
インターネットを使って調査したり、研究参加者へインタビューしたり、それを文字起こしして、整理して評価して、先行研究を何度も読んだり、論文を書き溜めていったり、といったことを継続しました。
中間発表~学会発表を経て、最終審査へ
中間発表を経て、最終審査を通過すれば無事終了です。
中間発表とは、複数の教員や、学生達に対して、研究のテーマや方向性を説明します。
その後質疑応答を経て、教員達からダメ出しをくらって終了です。
そこで受けた指摘を今後の研究に活かします。
私の場合は、コロナ真っただ中だったのでリモートでの発表でした。
ある意味ついていたかも知れません。
画面を通じてなので、カンペを読んだだけで、あまり緊張しませんでした。
それはさておき、中間発表後に本格的に論文の執筆に入ります。
指導教員から論文の修正が鬼のように入ります。
とにかく、指導教員を納得させなければなりません。
20回以上はメールでやり取りしました。
論文を仕上げている間、並行して某学会への発表を進められました。
これは、論文の最終審査に影響するかなと思い、エントリーしました。
この発表資料についても指導教員からダメ出しをくらいながらまとめ上げて、無事学会発表は終了しました。
その後、修士論文を完成させて、最終審査をむかえました。
最終審査は、中間審査と同様に複数の教員や、学生達に対して、発表します。
中間審査と異なるのは、研究の結論を提示しなければなりません。
発表後、質疑応答を経て、私の場合は、教員から指摘を受け、大勢に影響がない範囲で一部修正することで、一応無事終了しました。
まとめ
修士課程は指導教員から言われたことをやっておけばまず大丈夫です。
とはいえ、簡単という意味ではありませんのであしからず。
修士課程を修了して、しばらくして博士課程への進学することも頭をよぎりました。
博士課程は大学院教育の最高段階です。
専門家としての地位が確立されます。
しかし、博士課程は修士課程のようにはいきません。
査読論文を3本程度発表する必要があるなどハードルがぐっと上がります。
仕事をしながらとなれば、簡単に考えるべきではないと躊躇しています。
修士課程に話を戻しますが、2年で修了できたのは同期30人中、私も含めて9名でした。
決して広い門ではありません。
繰り返しますが、修士課程を修了するには、指導教員の指摘に真摯に向き合って、きちんと対応していくことに尽きると思います。
修了出来たときの感想はとにかくほっとしました。
修了した後は、気が緩んでしばらく遊び呆けました!
以上が、働きながら修士論文をどのように書き上げて修了したかの経緯を綴ってきました。これから社会人大学院を目指そうとされる方の参考になればうれしいです。最後までお読みいただきありがとうございました。