私は一級建築士の資格をとってから18年経過しました。
この資格は簡単に取得できる資格ではなく、資格を取るためには失うものも大きいです。
それでも、一級建築士の資格をとって私が実際に良かったと思えたことや、一般的に一級建築士を保有することで得られるメリットを検討して、それらをまとめてみたいと思います。
一級建築士の資格を持っていてよかったこと
1. プロフェッショナルな認知がなされる
一級建築士は建築業界の最高峰の資格です。クライアントや同業者からの信頼を得やすくなります。この資格を持つことで、建築に関する高度な知識と技術を持っていることを証明できます。関係者との調整がしやすくなり、仕事がやりやすくなります。
名刺に「一級建築士」と書いて実感
一級建築士を持っているかどうかは、その人と話したり、仕事ぶりを見ただけでは分かりません。言われなければ分かりません。わざわざ自分から「私は一級建築士の有資格者です」と言うのもいやらしいので、名刺に書いておくことで自分が一級建築士の資格を持っていることをさりげなくアピールできます。
私がまだ一級建築士の資格を保有していない頃は、仕事の相手から一級建築士の名刺を出されると、やっぱり一目置くというか、尊敬するというか、敗北感を感じるというか、それくらいのパワーを持っている資格だと思っていました。
2. 経済的なメリット
高収入を得らえる可能性があります。一級建築士は高い専門性を持ち、資格取得の難易度が高く、誰でも取得できる資格ではありません。需要も高いです。そのため高い収入を得やすいです。ボーナスや昇給など、企業内での昇進や給与が増加する可能性が高まります。
3.転職に有利
大卒以上などの縛りがある場合もありますが、一級建築士を保有しているだけで、建設業界の転職の応募条件はほぼクリアできます。さらに、難易度の高い資格なだけに、採用されやすく、転職による年収アップにも有利に働きます。
私の場合、もし一級建築士の資格を保有していなければ、今の職場に転職できませんでした。また、この先不測の事態などがあっても、「職が見つからないかも」というような不安はありません。定年を迎えても、再就職先は見つかりやすいと思います。苦労して資格をとったおかげです。
4.ダブルライセンス、トリプルライセンスを取りやすい
ほかの資格を取得するうえで優遇措置があり、ダブルライセンス、トリプルライセンスをとりやすいです。さらに自分の市場価値を高めることができます。私は、一級建築士の資格以外に1級建築施工管理技士や建築設備士などの資格を保有しています。詳細に解説した記事はこちらから
5.法的特権を得られる
一級建築士はすべての種類の建築物(規模や用途に関わらず)の設計ができます。これは二級建築士や木造建築士にはない特権です。一級建築士の資格を持つことで、商業ビルや公共施設、大規模な住宅プロジェクトなど、幅広い設計案件に携わることができます。
6.一生ものの資格
一度、一級建築士試験に合格すれば一生使える資格です。設計事務所に所属していると3年ごとに定期講習を受講する必要がありますが、運転免許の更新みたいなものでほぼ誰でも更新できます。
7.人生の選択肢が広がる
建築に関する様々な職場で働くことが可能です。 建設会社や設計事務所、大企業の建設部門、公務員、不動産会社、コンサルタント会社、資格学校講師、各種専門工事業者など、多様な職場で働ける機会が増えます。本業はもちろん、副業や、独立・起業も可能です。
8.私生活でも使える
この理由も地味なようで大きい効用です。私生活において普段はうだつの上がらない存在ですが、この資格を持っていることで心に余裕ができ、家族や友人、知人に対しても自信につながります。
まとめ
一級建築士の資格をとるには難易度が高く、資格を取ったら取ったで仕事上の責任は大きいですが、資格を持っていると、それらを補うだけのメリットがあります。
公私ともに効用が大きく、チャレンジする意義は十分にあります。
一級建築士の資格は、専門家としての評価を高め、多くの職業的・個人的なメリットをもたらします。建築業界に身を置いている方であれば、一度はこの資格にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。以上参考になればうれしいです。最後までお読みいただきありがとうございました。